2020年中学入試で問われる理科の時事問題①
近年理科の問題でも、時事的な内容について普段からアンテナが立っているかを問うような問題が出題されています。
ここでは、2020年の中学入試で問われる、理科の時事問題について考えてみたいと思います。
■台風15号・19号
2019年は台風15号による被害、そして19号による広域の浸水災害について話題になりました。
こういったニュースにアンテナを立てておくことはもちろん大切ですが、その話題を入口として、一般的な知識を問われる問題も多くありますから、「今年は台風の上陸が多かったから、入試ではそのような話題が出題されるかも」と考えておくことも重要です。
一般的な出題のされ方については「2019年は台風15号により◯◯のような被害がありました。台風及び気象について、以下の問に答えなさい・・・」のようなものが多く、特に今回の台風について具体的な被害の様子などを答えられなくても、台風についての一般的な知識でなんとかなる問題も多いので、以下のような知識を確認しておきましょう。
- 台風は日本の南、赤道付近で発生した熱帯低気圧のうち風速が17.2m/秒に達したもの
- 台風の中心を「台風の目」という
- 台風は低気圧のため、中心に向かって反時計回りに風が吹き込んでいる
- 一般的に、台風の進む向きと台風に吹き込む風の向きが等しくなる東側のほうが、風が強い
■ マイクロプラスチックの問題
人間が使用するプラスチックは自然界で分解されず、細かな破片となって環境を汚染しています。プラスチック製のストローが海に流れ込んで海中の生物に蓄積したり、その体を傷つけていることが問題になっています。
このように細かく砕かれたプラスチックを「マイクロプラスチック」と呼んでいます。(中には洗顔料に含まれるスクラブ成分やフリース素材の繊維のように、最初から細かな状態で製品に含まれて環境に流れ出しているものもあります。)
アメリカの大手コーヒーショップがプラスチック製のストローの使用をやめ、紙製のものに変更することが話題となりました。
理科の問題では以前から、農薬などに使われる成分のDDTが生物の体内に蓄積することを扱った計算問題が、難関校において出題されています。マイクロプラスチックの問題も同様に出題されることが予測されます。
■ 天体ショーや探査機に関する問題
地学分野の時事問題で圧倒的に多いのが、天体ショーや探査機に関する問題です。
特に日本の探査機で話題になるのが「はやぶさ2」ではないでしょうか。なんという名前の小惑星の探査に出かけたのか(「リュウグウ」です。ちなみにはやぶさの1号機は「イトカワ」という小惑星を探査しました)、またどのようなものを採取して戻ってくるのか(小惑星の表面を削り、地下の岩石を採集して地球に帰還します)などが問われるでしょう。
また惑星同士の接近(10月には木星と土星、12月には金星と土星)もトピックです。
ブラックホール撮影成功のニュースもありましたね。
ふだんから国立天文台やJAXA(宇宙航空研究開発機構)のホームページなどをチェックしておくことをおすすめします。