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6年生 中学受験に勝つための理科の勉強法とは

2024/01/11
 
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一般的な進学塾では、5年生までに受験勉強としての理科の単元をすべて終了し、6年生では総復習といった学習内容になります。

つまり理科が苦手、理科で苦手単元がある、というお子さんは、5年生まででその苦手が把握できている場合が多く、6年生では「もともと解りづらいものが、さらにわからなくなっていく」という現象がおこります。なぜなら、6年生では以前に習った単元を総復習するわけですが、以前に習った問題よりもさらに実践的な問題、つまり入試問題レベルの問題や、入試問題からの引用が多くなっていくからです。6年生になって塾から与えられた教材をもとにして、苦手克服を計画することが難しいのは、こういった理由からです。苦手克服の題材としては、内容が高度すぎるのです。

このような教材をもとに弱点補強を行うには、「テキスト以前」の部分でしっかりと「基礎から今やっているところまで」の階段を作りながら教える事が必要です。

たとえば、中和の問題がわからないとしましょう。

一口に「中和の問題がわからない」といっても、基本的な中和の仕組みがわからないのか、あるいはそれ以前に、酸とアルカリについてはわかっているのか、といった階段を、お子さんに確認しながら作っていきながら、目の前にある問題をどう使ってお子さんの理解を深めるかを決定します。このあたりはプロの領域といえるかもしれません。

典型的な中和の問題として、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和があります。一定量の水酸化ナトリウム水溶液に塩酸を注ぎ、混合溶液中から水分を蒸発させたときに残った固体の重さを表にしたものです。中和反応が起こっていくにつれ、水溶液中から塩化水素と水酸化ナトリウムが減り、中和によってできた食塩が水溶液中に増えていくことがわかります。

この表を見て、問題が「水酸化ナトリウム水溶液50gと過不足なく反応する塩酸は何gですか」だったら、ほとんどのお子さんは「40g」という正解を答えるでしょう。なぜなら、固体の重さの変化が、どこもすべて0.4gで、Fのビーカーでは固体の重さが増えていないからです。

しかし、次のようなグラフだと、正答率はずいぶん下がります。

この表でも、水酸化ナトリウム水溶液50gと過不足なく反応する塩酸を40gと答えるお子さんがいます。やはりFのビーカーでは固体の重さが増えていないからですが、1つ重要なことを見落としています。

それは、CとDの間で、固体が0.2gしか増えていないということです。

この問題を間違ってしまうお子さんの中には、実験の内容をあまり理解していないお子さんもいます。ただ表の中の数の変化だけを見て、変化がなくなったところを答える、という答え方をしているんですね。

こういったお子さんは、化学計算全般に関して苦手意識を持っている可能性があります。そのような場合は、まずは中和の仕組みを丁寧に解説してあげてから、問題に取り組んでもらうようにします。

一方、間違っていたとしても、この実験が、2つの水溶液の中和反応に関するもので、水溶液を反応させると、反応した水溶液の重さに比例して新たな物体(この問題の場合は食塩)ができるということをしっかり理解していれば問題は大きくありません。

上記のような問題を一緒に解き、同じやり方をしているのに、なぜ正解することもあれば、不正解になることもあるのかということを理解することが、苦手克服への第一歩です。このことが理解できれば、なぜ自分が苦手(=点が取れない)だったのかがわかり、お子さんの中に「やれるかも」という期待感が生まれます。

そして次は自分の力だけで演習し、間違わなくなったら、さらにお子さんの中の期待感は大きくなり、充足感が生まれます。

このように、いつからでも苦手の克服は可能ですが、学年が上がるにつれてその対応は難しくなっていきます。

ぜひ早めに苦手を克服し、今後のお子さんの学習が実り多いものになることをお祈りしています。

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